育毛に必要な毛細血管
毛を育てるには栄養が必要
私達の頭に生えている毛髪というのは何もないところから生えてくるものでも老廃物でもありません。きちんと材料を元にして育つ植物のようなものなのです。そのため栄養は必須であり、成長に欠かすことができません。ただ、栄養のみを摂取していれば良いというものでもありません。
栄養が適切に補給されるには補給路が必要になります。例えば加工品を作る工場に材料を運んでくるトラックが走れるための道路が無ければならないのと同じように、栄養を運ぶにもそれなりの道が必要なわけです。そしてその道こそが毛細血管となります。
毛の根本に存在する毛細血管
毛の構造は詳細に見れば見るほど複雑なものなのですが、簡単に把握しておきましょう。まず根本には毛乳頭と呼ばれる部分があります。これは毛の源泉のようなもので、ここで発毛するかどうかを決定するのです。毛乳頭を包むのが毛母細胞というところで、この毛母細胞が分裂することによって私達が視認できる毛幹となります。
この毛の営みが可能となるのも全て、毛乳頭に接続している毛細血管があるおかげです。毛細血管からあらゆる物質を毛乳頭は取り込み、毛母細胞へと手渡すことで初めて発毛します。
もし毛細血管がなければ毛乳頭は一切の材料を得ることができないため毛母細胞も分裂することができなくなり、当然、毛が生えてくることはないということです。毛細血管というのは毛の成長にとって欠かせない存在なのです。
毛細血管を弱らせる様々な原因
薄毛には様々な原因が存在します。皮脂の量が多かったり遺伝的な原因だったりするのですが、頭皮環境が悪化し毛細血管が減少することも原因の1つです。特に現代では毛細血管を減少させてしまう要因は数多く存在するので気をつける必要があります。
例えばタバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激するため血管収縮作用をもたらし、末端の血流量を低下させてしまいます。交感神経に注目するとストレスでも興奮してしまうので、心労を重ねることも毛細血管へ悪い影響を与えてしまうでしょう。他にも脂肪分の過剰摂取や鉄分不足、運動不足に水分不足などあらゆる原因が毛細血管の減少へと繋がってしまうのです。
特に血糖値の上昇に注意
高い血糖値も薄毛を促してしまう要素の1つです。特にお酒が好きな方にとって関係の深い項目なので該当する方はチェックしておきましょう。
血糖値というのは血液に含まれるブドウ糖の濃度を指します。ブドウ糖は炭水化物を消化酵素が分解することで得られる栄養素で、腸から吸収されています。私達の体にとって欠かすことのできないエネルギー源として使われるのですが、過剰に摂取すると中性脂肪となり様々な害を及ぼしてしまいます。分解しきれない場合は糖尿病になる可能性もあるのです。
ブドウ糖はインスリンが働くことで他の細胞のエネルギー源として使われるのですが、このインスリンはまたアルコールを摂取した際にそれを分解しようと大量に消費されてしまいます。
その結果、血流中には分解されないままのブドウ糖が漂うようになり、やがて高い血糖値となって私達の目の前に現れてしまうわけです。甘くどろどろとした血液は流れ難く、毛細血管への血流量も低くなってしまいます。そのため血糖値が高いことは薄毛の原因として十分ありえるのです。
睡眠をとる事が何より重要
血糖値の上昇を抑えてくれる
睡眠をきちんととるメリットの1つに血糖値の上昇抑制があります。私達が眠いとき、眠気を引き起こしたり十分に睡眠をとるためにメラトニンというホルモンが分泌されるのですが、このメラトニンはブドウ糖にも作用してくれるのです。また、インスリンが分泌されるすい臓にはメラトニンを受け取るメラトニン受容体というものがあり、インスリンとは深い関係にあります。
日中はメラトニンが少なくインスリンが多く、夜中はメラトニンが多くインスリンが少ない、という相反する関係にあるのです。血糖値に着目してみると、メラトニンを増やすことは良い影響をもたらすはずです。
正しい生活がメラトニンの分泌を促す
メラトニンはバイオリズムに則って適宜分泌されるホルモンです。例えば目覚めたときに日光を浴びると分泌が抑制され、それから15時間ほど後に再度分泌されるように体が調整されます。
このとき、寝る時間や起きる時間がバラバラだとメラトニンの分泌が正常に行われなくなってしまうので気をつけてましょう。最低限同じ時間に起きるようにすればメラトニンの分泌は同じような時間から始まります。
人によって異なるベストな睡眠量
自分にとってベストな睡眠時間は何時間なのか、気になる問題の1つです。数値になって現れてくれれば分かるかもしれませんが、目に見えて何がベストなのか分からないので頭を悩ませてしまうかもしれません。その回答としては実際のところ「個人による」というのが本当のところです。
例えばイベントに出かけ1日中歩き回った日には疲れ果てて眠ることになり、翌日の昼に目が覚めることも珍しくはないでしょう。また部活で限界まで体を酷使したときや肉体労働でへとへとになれば直ぐ眠りなかなか起きません。逆にそこまで体を酷使しない場合は5時間睡眠をとっただけでもスッキリしていたりするものです。
睡眠時間というのは私達の活動時間と緩い相関関係にあるといえます。より活動する方はより長い睡眠をとるものだと考えておけば良いでしょう。イベントなど突発的な疲労ではなく、毎日の睡眠時間量における個人差でいうならその差は2時間ほどといわれています。具体的には6時間~8時間程度です。この時間の中で自分にとってのベストな睡眠時間を探っていきましょう。
筋トレがもたらす睡眠
軽い運動や筋トレも効果的
メラトニンはセロトニンという物質から作られます。このセロトニンはジョギングなどの軽い運動をすることで活性化され結果的にメラトニンの分泌量を増加させることになるのです。もし睡眠が上手くとれない場合は少しでも良いので運動を生活習慣に取り入れてみましょう。体も疲れるようになり寝入りもスムーズになるかもしれません。
筋トレとしては自重を利用するものが手軽でおすすめです。例えば腹筋、背筋、腕立て伏せ、それからスクワットといったメニューとなります。器具が必要なく、スペースさえあれば誰でもできるので薄毛のためと思ってやってみましょう。習慣になるとむしろハマってしまうかもしれません。
筋トレとアルギニン
筋トレをする際にはアルギニンというアミノ酸サプリを摂取するのも効果的です。アルギニンには疲労回復効果や筋力増強効果が認められており、筋トレのお供として知られています。また、アルギニンには血流改善効果も期待されているので毛細血管にとって良い影響を与えてくれるでしょう。
ただ副作用として胃腸に悪い影響が懸念されます。こうした副作用は摂取しすぎるとより発症しやすくなるので用量をしっかり守りましょう。用量を守っても副作用が出てしまう体質の場合は無理をせず服用を中止することをおすすめします。
毛細血管の確保をメインとした育毛対策
育毛剤も併用しよう
育毛にとって重要なことは毛細血管の確保であり、そのために血糖値を抑える必要があり、その一環として十分な睡眠をとることが大事である、ということについて見てきました。ですがもちろん忘れてはいけないのが頭皮の状態です。頭皮が育毛に適した環境でなければ髪は生えにくくなってもおかしくありません。
そのためしっかりと育毛剤も併用しておきましょう。育毛剤にも様々なものがありますが、特に成分に血行促進を期待できる成分が含まれているものが好ましいです。
育毛剤の成分には複数のものが配合されているので一見しても分からないかもしれませんが、成分名で調べればその成分がどういった効果をもつのかが分かります。例えばトウガラシエキスやセンブリエキスは血行促進作用が期待できる成分です。
20代から始める抜け毛予防
20代などの若い頃から抜け毛予防を始めることは良いことです。薄毛の中でも男性型脱毛症の場合は早めから対策をすることが肝要で、20代であっても抜け毛予防を怠るとすぐに進行してしまう可能性もあります。薄毛の疑いがある場合はしっかりと対策をしていきましょう。
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